スウェーデン の コロナ 対策。 新型コロナ対策で「賭け」に出たスウェーデン、結果はどう出るのか

スウェーデン首相、ついに高齢者コロナ戦略の失敗を認める!

スウェーデン の コロナ 対策

中でも、スウェーデンの死者は2355人と突出している。 感染拡大防止に向け、北欧はどのような対策を講じてきたのか。 真っ先に手を打ったのは、デンマークだった。 3月13日から、学校や飲食店を閉鎖し、国境も封鎖。 18日以降は、商業施設の閉鎖や10人以上の会合なども禁じた。 同国のメッテ・フレデリクセン首相は「外部からの新しい感染を持ち込まない」と国境開放には現在も慎重だが、死者は434人に抑えている。 外出禁止令も解除し、学校は4月15日から再開した。 ノルウェーとフィンランドも、緊急事態宣言の早期発出が功を奏した。 ノルウェーは、3月15日から国境を封鎖。 外国からの帰国者を2週間、隔離するなど、厳戒態勢を強いた。 フィンランドは緊急事態時の資源に豊富で、周辺諸国と異なり医療物資不足には陥らなかった稀な国だ。 両国はともに、死者数合わせて405人と最小限に留めることができた。 人口36万人の小国アイスランドは、1月31日の段階から、感染の疑いの有無にかかわらず希望者全員に対し、無料でPCR検査を行った。 国民の10%がすでに検査済といわれ、外出禁止令も4月27日には解除されている。 特異なのは、唯一、別の政策に徹したスウェーデンだ。 緊急事態宣言の発表もなく、外出禁止令も強制していない。 飲食店も商業施設も営業を維持し、テレワークはあくまでも要請だった。 ステファン・ロベーン首相は、3月27日の会見で「一人ひとりが責任ある行動を取るべきだ。 すべてを制度化したり、禁じたりはできない」と主張。 国民に判断を委ねる意向を示した。 世論調査会社「デモスコープ」によると、国民の同首相への信頼度が3月から4月の1カ月間で、19%跳ね上がったという。 しかしスウェーデンは、北欧5カ国で最多となる2355人の死者を出した。 各国の対策に賛否両論はあるが、外出禁止令の是非による感染の影響は明らかになったといえるかもしれない。 北欧諸国で、スウェーデン以外の首相全員が女性であることも、何かしらの成功の鍵に繋がっているのだろうか。

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スウェーデンが実施する異色のコロナ対策 他国から批判も国民は信頼?

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しかし、同国の「部分的ロックダウン」の真実、その実態とはいったいどんなものなのか? スウェーデン・カロリンスカ大学病院・泌尿器外科勤務の医師で日本泌尿器科学会専門医の宮川絢子博士(スウェーデン移住は2007年)に、スウェーデン語文学翻訳者、エッセイスト、久山葉子氏(同2010年)がインタビューした。 3月17日に高校・大学・成人学校は閉鎖してオンライン授業に切り替えるよう要請があったものの、保育園・小学校・中学校はまだ平常どおり授業が行われている。 現在法律で禁止されているのは「高齢者施設の訪問」と「50人以上の集会」だけで、それ以外の「屋内外で他の人と距離を開けること」「パーティーや冠婚葬祭など人を多く集める機会を作らないこと」「スポーツ施設では更衣室で着替えないこと」「不要不急の旅行は避けること」は行政指導としての勧告にとどまっている。 日常生活では、お年寄り(70歳以上)には会わないようにする、少しでも体調がおかしかったら会社や学校には行ってはいけない、などが徹底されている。 また、なるべくリモートワークで仕事をするようにも言われている。 しかし散歩などの外出は健康のためにむしろ奨励されているし、店やレストランも営業している。 テイクアウトをする人は増加したが、他の人との距離が近すぎないかぎりレストラン内で食事することもできる。 その結果、。 このような緩い政策で、果たして大丈夫なのだろうか。 世界中から懸念の声が聞こえてくる。 アメリカのトランプ大統領にも名指しで批判され、インターネット上のニュースでは「スウェーデン死者急増」「ロックダウン検討開始」といった不穏な見出しが躍る。 スウェーデンの感染者数と死者数を理解する上で知っておくべきこと 久山:4月には発表された一日の死亡者数が100人を超え、それがセンセーショナルな形で世界中に報道されました。 例えば4月21日には185名という死亡者数が発表されていますが、実はその2日前、19日の死亡者数はわずか29人です。 宮川:スウェーデンでは週末や連休の間はシステムの中で死亡情報がすぐに上がってこない仕組みになっています。 なので、休み明けに数字が集中するということを考慮しなくてはいけませんね。 19日は日曜日で、21日は火曜日でした。 またスウェーデンは10日~13日がイースターの連休で、その頃のデータが徐々に入ってきたようです。 久山:実際に死亡日別に集計すると、この図のようになります。 これは4月28日のものですが、紫の部分が前日までに発表されていた死亡者数です。 そしてこの日新しく追加になったのが90人。 それが青い部分に当たります。 何日も前に遡って追加されているのがわかりますね。 さらに説明すると、スウェーデンは死亡診断書を書くとき、主な病名の順(死亡原因として寄与した順)に記入します。 各病名にはコードが付いており、すべてオンラインで管理されています(日本などは手書きです)。 新型コロナ感染者は、新型コロナ感染で死亡しなくても、感染が確認されていれば、病名として記載されます。 ですから、新型コロナで死亡した数だけカウントしていたり、検査されてないが新型コロナで死亡したであろう死者数がカウントされていない他の国に比べて、何割増しかになっている可能性があります。 また、パーソナルナンバーで管理されているため、死亡者のカウントの漏れもありません。 久山:なるほど。 スウェーデンはかなり取りこぼしなく数字を集められているのですね。 一方他国では、病院で亡くなった人しかカウントしていない国も多くあると聞きました。 スウェーデンの死者数の約3分の1は高齢者施設だと発表されていますが、他国の場合それが死亡者数に含まれていない場合もあるわけですね。 宮川:このグラフは人口10万人あたりの年代別感染者数(男女別)です。 これを見ていただくと、90歳以上では100人に1人以上、80歳代でも200人に1人は感染しています。 死者の数でいうと、80歳以上の死亡者は全体の64%、70代以上で見ると87%。 つまり、高齢者の感染リスクが高く、犠牲者のほとんどは70歳以上です。 これは、公衆衛生局も認めたとおり、高齢者施設でのクラスター(集団感染)発生を防ぐことができなかったことによるものが大きいです。 公衆衛生局のHPより 宮川:つまり、スウェーデンの死亡者数の大部分を占める高齢者、特に高齢者施設に暮らす高齢者の死亡は、施設における感染対策の失敗が直接の原因です。 ロックダウンしなかったこととはあまり関係がないですね。 ちなみに、日本で同様に10万人あたりの年齢別感染者を調べてみると20代から50代が最も多く感染しており、高齢者層は低めと、スウェーデンとは逆になっています。 このように、各国毎に特殊な事情があり、PCR数など検査のアプローチや、統計の取り方にも差があります。 感染者数の比較はもとより、死者数においても単純には比較はできないし、比較して結論を導き出すこともできません。 スウェーデンの最大の目的は、医療崩壊を招かないこと 久山:各国がいちばん心配しているのは医療崩壊だと思いますが、今スウェーデンの状況はどうでしょうか。 基本的に医療はすべて公営のスウェーデンでは、普段から予算も人手も不足していて、風邪ぐらいでは受診できないことで有名です。 わが家も夫が胆石の痛みで七転八倒したとき、手術は半年待ちだと言われました。 重症患者が爆発的に増える可能性のある今回は、どのような対策が行われたのでしょうか。 宮川:医療崩壊を招かないためには、感染のピークを可能な限り低くし、医療現場のキャパシテイーを超えない患者数(殊にICU治療が必要な重症者)に抑えなければいけません。 久山:確かに、公衆衛生局が作成したこのグラフを何度も目にする機会がありましたね。 左のグラフのようになるのではなく、右のようなカーブを描くよう、国民全員で目指しましょうと奨励されてきました。 子供はクラスターにはならないという判断から、保育園や小中学校は休校にはしませんでした。 共働きが基本のスウェーデンでは、休校することで、医療従事者など今必要な現場での人手が減るリスクも考慮されました。 久山:ICU病床数については、元々全国で526だったのが、現在は1050(5月4日時点)まで増えました。 そのうちの509床が埋まっているそうですが。 宮川:新型コロナ以前のスウェーデンのICUベッド数は、人口10万人あたり約5. 8床でした。 これは、今感染の被害を最小限に抑え込んでいるドイツの5分の1程度で、これまでもICUのベッドが足りない状況はしばしば起こっていました。 しかし、まだ感染が拡大していない2月頃から、ICUのベッドを増やす計画が立てられていました。 私の職場でもあるスウェーデン最大のカロリンスカ大学病院でも、以前の約5倍の200床程度まで増床されています。 術後観察室がいち早くICUに改築されました。 また、ICU治療が不必要な比較的軽症の患者用の入院ベッドも確保されました。 一部の通常病棟を新型コロナ専用病棟にしたのです。 それに伴って通常病棟のベッド数が減少したため、もともと予定されていた手術は大幅に削減されました。 手術に関しても、緊急のもの以外はできる限り延期することになりました。 カロリンスカ大学病院では普段から癌の手術が多く行われていますが、癌の手術の中でも待てるもは延期されたり、他の治療法がある癌については治療法が変更されたりしています。 また、例えば、乳癌の手術は全てストックホルム市内にある、新型コロナ感染者を扱わない私立病院へ委嘱しました。 日本では考えられませんね。 ベッド数だけでなく、ICUで働く医師や看護師の確保も行われました。 各臨床科の希望者や若手医師、麻酔科専門看護師、手術室専門看護師を始めとする看護スタッフを、ICU治療に当たれるように教育したり、全国から有志の医学生がトレーニングを受けて医療現場を手伝ったりと、各方面でスタッフの調達準備がされました。 また、今回、ICUなどの最前線での診療行為につくことになった臨時スタッフには、220%の給与の支払いをすることになりました。 久山:そういった準備が功を奏して、現在のところ医療崩壊には至っていないのですね。 宮川:はい。 ただし、通常の診療が著しく影響を受けているのは確かですね。 スウェーデンの新型コロナ対策の影 久山:結局、スウェーデンの新型コロナ対策は成功したのでしょうか。 ロックダウンはすべきだったのでしょうか。 宮川:これまでの感染者数、死亡者数を見ると、成功したとは言えないでしょうね。 ただ、完全にロックダウンをしたイギリスなどと比べて、結果が劣っているわけでもありません。 イギリスは3月23日にロックダウンしたのですが、それと比較してみると、それほど推移が変わりません。 また、死亡者の多くが高齢者施設で発生していることを考慮すると、ロックダウンしなかったことにより増えたであろう死亡者数には、高齢者施設での死亡数を含めるべきではないのかもしれません。 したがって、現時点ではロックダウンをすべきだったのかどうかという判断はできないと思います。 また、ロックダウンが長引く場合、どの程度の期間なら可能なのか、また、長期ロックダウンによる弊害についても考える必要があります。 宮川:繰り返しになりますが、死亡者の多くは高齢者施設で感染し、入院することもなく、あるいは入院してもICU治療を受けることなく亡くなった方です。 また、高齢者の死亡率については複雑な事情もあります。 医療崩壊を防ぐために、従来からICU治療の適応を厳しく規定しているため、高齢者が重症化した場合には、ICU治療を受けることはできないという情け容赦ない現実があるのです。 ICUで治療してもらえるのは、年齢相応に元気な80歳以下の患者さんです。 こちらの表を見ても、80歳以上のICU 治療者の数は極端に少ないですよね。 カロリンスカ大学病院では、患者さんが入院してから24時間以内に、ICU入室の適応があるかどうかを決めて書面化しなければならないという内規があります。 社会庁の規定ではICUに空床がある場合には患者の選択をしないことなっていますが、新型コロナの発生以来、これまでICUは満床となっていなくても、このような選択は日々行われています。 通常時でも同じような基準は存在しますが、今回のパンデミックに伴い、非常に厳格な線引きとなりました。 この書類は、新型コロナ発生で改めて配布されたものです。 普段ならもう少しフレキシブルにやっていて、ある程度の期間の生存が見込めるのであれば高齢者であってもICUで治療します。 通常よりはるかに多いICUのベッドを回すのに、にわかにトレーニングし、あちこちからかき集めたスタッフにより医療行為が行われているのが現状なんです。 だからベッドがあっても、クオリティがそれに伴っているかは疑問が残りますね。 少なくとも、ICU治療に熟練したスタッフではないのです。 ちょうどこの状況の中で、77歳の義父が脳出血を発症したのですが、発症以前の健康状態を知らない脳外科医が、初診医からの電話一本による説明で、「余病があるため健康状態は80歳以上」と判断し、手術の適応なしと診断されてしまいました。 健康状態が80歳以上という判断は間違っていると抗議しましたが、義父は治療を受けることもなく、そのままこの世を去りました。 こういったことは、残念ながらスウェーデンでは普段から起きていることですが、この時期だからこそ治療をしてもらえるハードルがより高くなったと思います。 カロリンスカ大学病院でICU治療を受けた新型コロナ患者は80%以上という高い確率で生存しているというのがニュースにもなりましたが、生存できる可能性の高い患者を選んでICUに入れているからこその数字でもあります。 スウェーデンの失敗 久山:スウェーデンでは新型コロナ死亡者に顕著な傾向はありますか? 宮川:まず先ほども言ったように、高齢者施設でのクラスターの発生ですね。 施設の勤務者が感染源だと推測されています。 スウェーデンはスポーツ休暇後の三月頭から急速に感染が拡大し、追跡調査は不可能と判断した時点で、PCR検査を抑制することにしました。 そのときに、高齢者施設のスタッフなど、クラスターになりやすい施設の勤務者については、積極的にPCR検査を行っていれば、防げた可能性が高いですね。 高齢者は重症化した場合も集中治療を受けられないので、多くが死という転帰を取ってしまいます。 久山:高齢者施設以外には、感染者や重症者に移民のバックグラウンドがある人が多いというニュースも衝撃的でしたね。 この表を見ても、ソマリア系、イラク系、シリア系、トルコ系などの人々の感染者率が際立っています(注:フィンランド系の死亡率が高いのは、高齢者が極めて多いため)。 スウェーデンに住んでいてもスウェーデン語を理解しない人や、独自の文化を維持しているため多世代家族であったり、行事などの際に大勢で集まる機会が多いなど、クラスターとなる要因が複数存在したのでしょうね。 久山:確かに、移民ではないスウェーデン人で三世代で同居している世帯というのは聞いたことがありません。 高齢になっても介護士の助けを借りて独りまたは夫婦で暮らしているか、高齢者施設に入っているかのどちらかですよね。 その点では移民ではないスウェーデン人のほうが高齢者との接触を避けやすいというのはあります。 また言語の問題ですが、移民の死亡率が高いことが明らかになったとき、多国語での情報が不十分ではなかったのではと政府はかなり批判されていましたね。 その後迅速に多国語での情報発信が行われ、各宗教団体と協業して情報拡散に務めていました。 スウェーデン語があまりわからない方々でも、同郷の仲間が多くいる宗教団体とはしっかりつながりがある場合も多い気がします。 宮川:ICU入室者も、どういう訳か移民のバックグラウンドがある人が多いというのが関係者共通の印象ですね。 新型コロナ対策自体の失敗ではないですが、スウェーデンの移民インテグレーション政策の脆弱性がここでネガテイブに働いたのだと思います。 一方で、移民であってもなくても、貴賤貧富の区別等しい医療が受けられるのは、スウェーデンの凄いところですね。 久山:スウェーデンが普段から大切にしている「人間には皆同じ価値がある」という民主主義の精神が、ICU治療の選択の場でも浸透しているのですね。 でもこの場合にかぎっては、高齢者は別ということになりますか。 宮川:高齢者はICUへ入室できないというと、スウェーデンは「楢山節考」などと揶揄されることがあります。 しかし、そうではありません。 高齢者にかかわらず、若年者でも、予後が悪いと分かっていれば、通常からICU入室を許されないことは往々にしてあることなのです。 医療資源は限られていますから、それをいかに有効に使うか、分配するか判断することは、スウェーデンの医療現場では重要なことなのです。 久山:なるほど。 その一方で、治る見こみのある人については、経済力にかかわらず必要な治療を受けられるということですね。 宮川:スウェーデンでは、移民・難民であっても最低限の自己負担はありますが、全ての人に負担する医療費の上限があります。 外来診療では一年間の支払い最高額は1150クローネ(約1万3000円)、外来処方薬は2350クローネ(約2万7000円)。 入院では日額100クローネ(約1100円)の負担になります。 つまり、低所得者や無所得者であっても、低額の負担でICU治療を含め、最先端の医療を受けることができるのです。 日本と比較して 久山:日本はスウェーデンと比べて人口も人口密度も多いのに、感染者や死亡者はかなり低く抑えられていますよね。 それはなぜでしょうか。 宮川:諸外国と日本の感染者数・死亡者数の差は、政策の差としては説明しきれないものがあるように思います。 感染性の人種差や疫学的バックグラウンド、衛生観念など、日本が有利となっている何かしらの原因があるものがあるのではないでしょうか。 新型コロナ政策を比べてみると、スウェーデンと日本の大きな違いは学校が休校しているかどうかという点だけだ思います。 スウェーデンは学校を閉めていませんが、少なくともそれがマイナスには作用していないようです。 ただ、日本のほうが多世代同居が多いので、子供が学校からウイルスを持ち帰り祖父母に感染するという危険性はありますね。 久山:医療の面ではどうでしょうか。 宮川:スウェーデンでは病院のほとんどが公営であるのに対し、日本は大多数が私立です。 また、日本では強力なリーダーシップが欠如しているため、各地方自治体や各医療機関がそれぞれ別々に知恵を絞って対応している状態です。 一方でスウェーデンは、日本よりも強力な政府があり、諮問機関としての公衆衛生局、社会庁、学校庁などの専門家グループの意見を元に政策を決定しています。 これらの諮問機関は、学術的エビデンスに基づいて方針を打ち出しており、他国に追従することはありません。 久山:確かに、ヨーロッパ諸国からの同調圧力についてはまったく意に介していないように見えます。 宮川:毎日14時に行われる政府合同記者会見では、各諮問機関の代表が出席し、データを提示した上で、データの解釈と方針を発表していますよね。 国民はこの元データを常に閲覧することが可能すし、情報の透明性も非常に高いです。 各医療機関は、各機関毎の状況だけでなく、医療圏、あるいは国全体の状況を反映させて、患者や資源の移動を含めて国全体の医療機関が協力して対応しています。 新型コロナ患者の入院治療に当たる病院はほとんどが公立の大病院で、新型コロナ以外の治療を新型コロナ診療を行わない病院に移動させるという対策も取っています。 エビデンスに支えられていること、強くブレないリーダーシップが存在すること、さらには情報の透明性、国全体としての協力体制があること、これがスウェーデンの強みなのではないでしょうか。 平成元年慶應義塾大学医学部卒業。 日本泌尿器科学会専門医、医学博士、カロリンスカ大学およびケンブリッジ大学でポスドク。 2007年スウェーデン移住。 スウェーデン人の夫との間に男女の双子がいる。 高校時代に1年間AFSでスウェーデンに留学。 東京のスウェーデン大使館商務部勤務を経て、2010年に日本人家族3人でスウェーデンに移住。 現地の高校で日本語を教えている。 著書に『』、訳書多数。

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スウェーデンの新型コロナ対策をどう解釈するか — 藤川 賢治

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上のグラフは、スウェーデン1日あたりの死者、週平均推移を 2020年、2015〜2019年平均、2019年、2020年新型コロナ死者、でプロットしたもので、1週間分増えています。 収束してる、と思う方もいれば、 やっぱり大量に死者を出してるじゃないか、と思う方もいるでしょう。 どちらにせよ、このグラフ見て頂けるだけで、本稿を書いた甲斐があります。 有難うございます。 なお本稿では 収束とは 横ばいか下降を意味するものとします。 スウェーデンに関しては対策に関する誤解や、むしろ 正しい理解から、批難する記事も見受けられます。 そこで、以下、筆者の解釈からの擁護を書いていきます。 はい、 スウェーデンの擁護記事であることは一切否定しません。 なお筆者は今回の対策を、 経済や働く世代、子供達を守る対策だと称賛しているだけで、スウェーデンの全ての面がよいだとか日本より好きだとか思っているわけではないと、蛇足ながら記しておきます。 当のスウェーデンの方々はどう思っているのか? に書いた通り、スウェーデン在住の久山葉子氏の記事によると、 世界では今「スウェーデンは国民を使って実験をしている」なんていう不穏な見方もされているようですが、住んでいるわたしたち自身は一時に比べるとかなり不安が解消され、気持ちも落ち着いています。 大手朝刊紙DNとIpsosが共同で行った 四月半ばの世論調査によれば、今回のコロナ政策の立役者である「国家主席疫学者のアンデシュ・テグネルの能力を 信頼している」と答えた人が69%、「信頼できないとした人」はわずか11%でした。 とのことで、これが全てだと思います。 スウェーデンの方々は、反対している人も居るが、概ね納得しており、外国から失敗だと批難することに意味はあるのでしょうか? コロナ流行下の4月末にカフェのテラス席で過ごすスウェーデンの人々(/flickr:編集部) それを揶揄して、自国で経済や自由が破壊する苦しみを愛し始め、スウェーデンの対策を受け入られらなく症状をと名付けた人もいます。 死者が多い? 実際多いです。 人口あたりの死者で、世界でも6番目に悪いです。 ただ、スウェーデンが失敗したことを強調する記事、例えばは、 米国の2倍とか、他の北欧諸国より悪いことばかり強調していて、 ロックダウンしたのにもっと悪い国とは比較しない記事が多いように思います。 ですからそれら含めた表を示します。 筆者がスウェーデンの対策のことを知ったのはでした。 理想的には思えましたが、この時点では上手くいくという確信は持てませんでした。 スウェーデンが対策を継続し、感染を収束させられることを確信したのは、を読んだときでした。 戦略の要点は二つ。 正しい対策は、高齢者と基礎疾患のある人を守ること。 結果的に 副次的産物として集団免疫を得る。 副次的産物でピンと来ました。 リスクが高いグループの隔離が目的で 集団免疫は目的では無いのです。 逆に、ピンときたけど、そんなこと許されるか!、 姨捨山か!、と思った方もいるでしょう。 リスクが高いグループを隔離することで、社会集団から居ない状態を作ろうとしています。 しかし、隔離に失敗して残念ながら亡くなったとしても 実際に失敗して亡くなっているのですが 、この戦略においては 残された社会集団から隔離されたことと違いがありませんので、戦略の変更は不要です。 一度感染し一旦は抗体を持った人が 再感染するのかどうかも、第二波が来ようと来まいと、戦略の変更は不要で成否に影響しません。 いずれ収束して定常状態になります。 唯一の懸念は、重症者が増え過ぎてICU等が足りなくなるときですが、一時的に制限を厳しくすることはあり得るといっていましたし、結局、今回の波では制限を厳しくすることなく乗り切りました。 このように考え、収束させられると確信しましたし、実際にコロナ死者のグラフを見ても収束しています。 念を押しますが、 収束とは 横ばいか下降を意味します。 また新型コロナによる死者が僅かな下降の横ばいに過ぎないのに、 全体の死者は下降して例年並みに近付いているように見えます。 これはリスクの高いグループの方々が残念ながら前倒しで亡くなって、コロナ以外の理由で亡くなる方が例年に比べて少なくなっているからではないでしょうか。 人口1000万のスウェーデンの場合は年間9万人、毎日 250人くらい亡くなります。 リスクの高いグループの閾値をどこに取ったとしても、 毎日250人がリスクの高いグループに新たに追加され、250人が亡くなり、うち数十人が新型コロナの死者という形で収束するということです。 第二波が来て、それより多くの方が亡くなるでしょうが、それでも収束はします。 スウェーデンは壮大な社会実験? これに一番の違和感を感じます。 スウェーデンの対策を壮大な社会実験と呼ぶことは、まあ、理解できます。 しかしそれなら ロックダウンは 前代未聞の社会実験とでもいうべきではないでしょうか。 スペイン風邪が流行ったときに、世界中でロックダウンしたのでしょうか?ロックダウンを何故か皆が正統性のあるものだと認識していることに、筆者はむしろ恐怖を感じます。 対策の失敗で高齢者が沢山亡くなった? これは本当です。 によると、 スウェーデンでは、死者の約半分が老人ホームでの発生しているが、施設の訪問は禁止されいた。 テグネル氏によると、保健当局は、この病気を高齢者から遠ざけるのは簡単だと考えていた。 同氏は、スウェーデンでは老人ホームへの訪問が禁止されているにもかかわらず、多くの欧州諸国と同様に、老人ホームでの死亡者数が非常に多いことを指摘した。 隔離する戦略は失敗しています。 擁護はありません。 スウェーデンは何の対策もしていない? によると、日本に近い要請となっています。 要請にとどめている点は日本と共通している。 50人超の集会は禁止され、店での飲食は席と席の間隔を開けるなどの制約はあるものの、学校も中学以下は休校しないなど、人々の生活は以前とさほど変わっていない。 しかし日本との違いとして、 義務教育が開いていることと、 自営業者に一律の休業要請が無いことが挙げられ、羨ましい点です。 日本では未解明の理由により、新型コロナが流行りにくいようなので、秋冬の第二波には、各種要請をするにしても、これをベースに、高校大学も開け登校でもオンラインでも可、くらいにしませんかね。 おまけ 否定的なことも少し書いておきます。 余りの忙しさに、「 ロックダウンしてくれ」とボヤいているのだとか。 ストックホルム症候群といえば、 スウェーデンの中こそがストックホルム症候群という指摘は一理あると思います。 政府と保険当局が犯人で、国民が人質というわけですね。 筆者の場合はスウェーデンの対策に関して隣の芝生は青いと思う症候群ですかね。 経済に関しては、幾らスウェーデン内でなるべく回すように頑張っても、他の欧州や世界全体の影響を受けるので、結局は厳しいと思います。 どうでもいいおまけ情報 は、自分のトレーニング風景をSNSに挙げるのを趣味としている人達も多いのですが、世界中でロックダウンが行われて、ジムでのトレーニング動画は、スウェーデンの方々しか上げなくなり、皆、羨ましく思っていたそうです。 ちなみに米国はガレージなど、ホームジムから上げている方々が多かったとか。 — 藤川 賢治 東京都在住パワーリフター、本職はネットワーク系の研究者・技術者.

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